じんわり心が温まる、なんとも心地のよい映画です。
「ん?これいる?」みたいな演出は少々ありますが、他の部分で十分カバーできているので許容範囲かと思います。
とくに大事件が起こる話ではないのに、何故だか引き込まれました。
そこに加わるワケあり日本人女性ふたり(片桐はいり、もたいまさこ)。
ピカピカに磨き上げられた北欧スタイルの食堂で、ゆったりと流れる時間。
日々静かに交差する様々な人間もよう。
手際よく作られる、いかにも美味しそうなカツ定食や焼き魚定食。
香り立つコーヒー、焼き立てのシナモンロール。
のんびりした空気の中での”素朴で良質な暮らし”に惹きつけられます。
自分の進むべき道がはっきり見えている。
優しいけど押しつけがましさはなく、他人の生き方を詮索したり批判しない。
芯が強く信念があるけど、広い心と柔軟さをあわせ持つ。
潔さがあり変化を受け容れる心の準備がある。
あ~憧れます。こんなカッコよくて可愛らしい女性。
片桐はいり、もたいまさこも好演でしたが、小林聡美の存在感が際立っています。
この映画の舞台となった食堂、実在していて今も営業しているようです。
Ravintra Kamomeという店名で、ホームページはこちら。
日本食を中心にフィンランド料理も出しているみたいです。ヘルシンキに行く機会があれば、寄ってみてはいかがでしょうか。
『かもめ食堂』。
何でもない日常の営みと人間そのものが、愛おしくなるような映画でした!
画像お借りしました。