1年前のコロナ禍中に、「赤毛のアン」と作者モンゴメリのファンクラブ、バターカップスに入会しました。
アンの世界観が大好きな人ばかりが集まる、いい意味でマニアックな会です。
折しも会発足40周年の記念の年にご縁があり、kindred spirits(腹心の友、同類の友)に出会うことができました。
「赤毛のアン」は子どもの頃に出会い夢中になっていましたが、大人になってからは現実生活にまみれアンのような「前向きな想像力」はどこへやら。
そんな乾ききった私を想像の泉に引き戻してくれたのも、幼い時の親友(勝手に!)アンでした。
40代後半、仕事と家庭のオーバーワークでダウンし抜け殻となった時、本屋さんで村岡花子さん訳「赤毛のアン」の文庫本が目に留まりました。
もう1回読みたい。
すぐに買い求め、貪るように読みました。
プリンスエドワード島の美しい自然、慎ましくも豊かな暮らし、アンの勇気、優しさ、賢さ、想像力。マシューとマリラの不器用だけれど深い深いアンへの愛情。
乾いた心と身体に沁みわたり、涙が止まりませんでした。
シリーズ最後の「アンの娘リラ」まで読み終え、ひとりアンの世界に浸る数年間がありました。
そして2020年、世の中はコロナに突入。おうち時間が増え、年齢も重ね、自分と向き合う機会がより一層多くなりました。
子育終了もカウントダウンとなり、また無理して身体を壊した経験から、残りの人生はできるかぎり自分のために生きたいという思いが募っていきました。
アンのことを語れる仲間がいたらなあ。
でもそんなマニアックな集まりがあるかしら。
ありました(笑)
それがバターカップスです。
会が存在するのはわかったのですが、今も活動しているのか半信半疑。
問い合わせたら活動中とのこと。
詳細な過程は省きますが、無事入会し、今では優しく明るい大先輩の会員さんたちに混じり、楽しく活動のお手伝いさせていただいています。
バターカップスの皆さんにお会いする時は、自分がおばさん、主婦、妻、母であることはすっかり忘れ、一瞬で夢見る少女に戻れます。
冗談ではなく、お仲間さんたちも可憐な少女に見えてくるのです。
あるアン友達が、その現象?を「魔法がかかる」のだと表現していました。
本当にそんな気がします。
アンが私たちに魔法の粉をふりかけて、つかのま若返らせてくれるのかも。
バターカップスのお友達といる時は、これが好き!かわいい!綺麗!と素直に気持ちを表現することができます。
「同類」ゆえの安心感なのでしょうね。
つくづく人生は、幸と不幸が表裏一体だと感じます。
体調を崩さなかったら、仕事を辞めていなかったら、バターカップスとの出会いはありませんでした。
出会いは、偶然でなく必然なのかもしれません。
アンのお仲間との出会いに感謝いっぱいです。