『赤毛のアン』の原書『Anne of Green Gables』をマイペースに読んでいます。
4年ほど前に原書を買って読んだ時は、とても難しいと感じました。
英語の勉強を再開して約3年ほどたった今は、以前よりは読みやすくなりました。もちろん翻訳版を読んだおかげはあるのですが、自分の英語力も少しずつ上がってきていることを実感します。継続すればこの歳でも上達するのだと、秘かに喜びを噛みしめています。
さてChapter8のラストシーン。
アンが得意の想像力をめいっぱい使って、自分の東向きの小さな部屋は優雅で豪華、自身はレースのガウンを纏ったLady Cordelia Fitzgeraldなのだ、と思い込もうとします。
でも結局は「 Green Gables のアン」に満足し、鏡の中の等身大の自分にキスをします。
その後、アンが窓辺に座って独り言をつぶやくシーンの描写がとても好きです。
"Dear Snow Queen, good-afternoon. And good-afternoon, dear birches down in the hollow.
~中略~I must be careful to remember them and send them a kiss every day."
窓辺に迫る美しい花や遠くに見える木々にあいさつし、腹心の友になるかもしれないダイアナに思いを馳せ、かつての"大親友”ケイティとヴィオレッタを気遣うアン。
Anne blew a couple of airy kisses from her fingertips past the cherry blossoms and then, with her chin in her hands, drifted luxuriously out on a sea of daydreams.
(アンは指先から桜の花のほうへ二つのキスをなげてから頬杖をついて、気持ちよさそうに空想の海をただよっていった。)村岡花子訳
アンが満ち足りた様子で窓辺で外を眺めている様子が、映像としてはっきりと目に浮かびます。恋焦がれた”家族”を得、美しい島での新たな人生が始まろうとしているこの瞬間、アンはどんな気持ちでいたのでしょうか。
a sea of daydreams
なんて詩的で洒落た表現でしょう♡
村岡さんの訳では「空想の海」、松本侑子さんの訳では「真昼の夢想の海原」。どちらもステキですね。
今週は東京にも寒波到来です。家に籠って読書がいいかもしれません。